すぐ傍にあるしあわせ
過日、職場の後輩が退職しました。

私と同じ、中途入社の妻帯者。
仮に「A君」とします。

以前から職場への不満を聞いてはいたのですが、
業務上のトラブルがとうとう引き金となってしまいました。

思えば、彼が入社した頃、
私も他人事とは思えず、
同じく転職したての4人を加え、5人に向かってこう言いました。

『これからってタイミングで、変な言い方ですまないけど、
もし、もし…だけどね、
どうしようもなくなって辞めようと思ったとき、
いの一番に、僕に話を聞かせてほしい。』

と言いました。

転職でいろんな辛いことを経験してきたつもりなので、
リアルなもの言いになったけど、本心でした。

ちょっと面食らったかな?と思ったけど、
5人は、それまでの不安が晴れたかのような表情で、元気に「ハイ」と言ってくれた。


中途採用の、社会人経験のある5人なので、
真剣に導入教育に励んでいました。
私の入社の頃を思い出しました。

甘やかしはしませんでしたが、よく話を聞き、『女房子供のために一緒に頑張ろう』と、エールとともに
職場で「泳ぐ術」をアドバイスもしたものです。

なぜかしら、あの時の言葉に感動してくれ(笑)、
以降、彼らは私を慕ってくれました。
とくにA君は、私の同僚からも 『 あいつ、宮部をリスペクトしとるなぁ』 と言われてしまう始末。

とまぁ書いてしまえば、気恥ずかしいのですが
べつに私は出来のいい先輩でも上司でもないので、
なんだかちょっと、そこらへんが痒くなりそうでした(汗)
まぁ、頑張ってほしいという思いは真剣でしたけど。



----それから日々は流れ、
私は転勤となり、彼らの仕事ぶりに、じかに接することはなくなりましたが、
同じ部でしたので、何かと会う機会もありました。

実はあまりよくない評判もあったのは正直な話。
少し、気にはなっていましたが
なにぶん、離れていますので、できる事とできない事があったのは事実です。

ほどなくして例の現場トラブル。
まさか、A君が関与しているとは思ってもみませんでした。
当事者ではありませんでしたが、かなり責任も負うていたようです。
事後のミーテングに参加し、事の次第を聞くこととなりましたが、
かなり荒れたものとなりました。

しかし、拠点の違う離れた状況。
打つ手も少なく、
残念な結果が待っていました。



ある休日、A君からの一本の電話。

『退職します。
その前に、先ず宮部さんに言いたくて…』
『もう、決めたんか?』
『はい…』

そんな始まりでした。
一時間ほどの長話となりました。


せっかく技能資格なども修得してきたわけですし、
なくてはならない人材だということは、会社も同僚もわかっています。
理解している仲間がいる限り、いつかは「あんな日もあったね」となると思います。
そういった、ごくありふれた話もしつつ、
説得というよりも、彼なりの「怒り」を一つ一つ聞きながら、
ほぐしてゆきました。

残念な結果です。


私はここ(ブログ)で、 「イイ先輩」を演じようとは思いません。 そういうブログではないので…。
ただ、赤裸々に、
「何の力もなかった」 というご報告にすぎません。


『もし、もし…だけどね、
どうしようもなくなって辞めようと思ったとき、
いの一番に、僕に話を聞かせてほしい。』

そんな、偉そうな励ましをしたあの日の言葉も、
今は虚しく、
こうした結果を迎えることとなりました。


この本人の決断が、よい結果として未来を生むものなのか、
それとも悪い将来を迎えてしまうのか、
私にはわかりません。

世の中を見渡せば、
そう簡単なものではないのは分ります。

電話の向こう、彼の明るい「自信」が本当のものなのか、
それとも、心配させまいとした姿なのか、それもわかりません。


思いおこせば、
あの、「トラブル」を聞いたとき、
A君を預かる、私の同期に

『もし、そっちがよければ、俺ん所で預かるよ』

そう、伝えたのですが叶わず、
手の届かぬまま、この日を迎えました。
もっと、強くそうはたらいていたなれば…と思いつつも、
人事にはそう易々と介入はできません。

これも、そうなる運命(さだめ)だったのでしょうか。
人の一生はわかりません。
「その人」によくても、「この人」にとってどうか?なんて、当てはまるとは限らないものです。


私は、彼(A君)が、あの5人の中で、とくに
ある意味、とても「不器用な男」だと感じておりました。

それは、
私に似ている部分があると、感じたからです。

『彼を 〝セーブ″させるのは俺しかいないかも?』
…そうとも感じていました。



ほろ苦い、1ページとなりました。



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【2016/11/04 00:20】 | ◇日々徒然
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